四宅ヤエさんの語りを、アイヌ昔話を藤村和久さんが文章にした≪神々の物語≫シリーズです。
この話を読んで、似ているな〜と、思ったのが「クナウとひばり」(アイヌの昔話・東京子ども図書館編纂)というお話でした。
人の住む地上が気に入って、頼まれた用事をすぐこなさなかったために、神の国へ帰れなくなったひばりの話です。
このお話の「オオジンシギの神さま」も、同じような目にあいます。
元が、口伝えの昔話なので、描かれている世界が音にするととても美しく響きます。
手島さんの絵は遠目が効くので、小学校高学年くらいのお子さんになら、読み聞かせにも使えそうです。
なにしろ、手島さんの描かれるアイヌ(地上)の世界がとても素敵でした!
どのページの絵も捨てがたいのですが、私は特に色とりどりの実をついばんでいるシーンと、その次のページ神さまに怒られて地上に墜落していくシーンが印象的でした。
また、このシリーズには毎回、昔話やアイヌ文化の研究者の方の解説が載っていて、この作品の解説は昔話研究所で、たくさんの昔話を研究・編集・再話されている小澤俊夫さんでした!
私は個人的に日本の昔話の再話は小沢俊夫さんの物が好きです!!
解説も面白いしすごく勉強になりました。
絵本の本編も素晴らしいですが、ぜひ、この解説はしっかりとお読みください。