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とおいとおい昔のこと。出雲の国に、大国主というたいそうやさしい神様がいました。 意地悪な兄たちの荷物もちとして、美しいと評判のひめの暮らす因幡の国へと出かけていきます。 その途中、大国主は体の皮を剥がされてで泣いているうさぎに出会い、わけを聞きます。
日本の神話「いなばのしろうさぎ」は、小学校の教科書にも掲載されている有名なおはなしです。この後、大国主は様々な試練を乗り越え、兄神たちを退けて地上の主となるのですが、神として成長していく最初のおはなしとして位置付けられています。
翻訳者ふしみみさをさんが語る「日本の神話えほん」シリーズの3作目。やさしい言葉で綴られた文章は、とても読みやすくてわかりやすい。初めて神話に出会う子どもや今まで馴染みのなかった人も、無理なくおはなしに入り込めそうです。
イラストを描くのは、フランスを中心に世界で活躍する画家ポール・コックスさん。古事記の世界に魅了されたポールさんが、日本美術や歌舞伎の舞台美術からインスピレーションを受けて描いた世界は、色鮮やかで美しく、洗練されています。今まで見たことのない新しい日本神話の世界をぜひ堪能してください。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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出雲国の大国主という神様には80人もの兄弟がいました。皆で八上姫に結婚を申し込むため長い旅に出ました。すると毛皮を剥がれたうさぎを見つけ…古事記の中の神話物語。
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