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
宮沢賢治の作品ですが、童話といっていいのかとてもハードボイルドな内容だと思います。
これから北極まで列車で出かけて黒キツネの毛皮を900枚も取ってくるのだというイーハトヴのタイチは何枚もの毛皮をはおって、ピストルさえチラつかせています。
夜行列車独特の雰囲気の中で、登場人物も子どもの世界から一歩上を言っている感じです。
いかにも成金のように毛皮を自慢するタイチは、ウィスキーに酔って周りの客に絡みます。
夜が明けて突然止まった列車に武装した暴徒が闖入しタイチを連れ去ろうとします。
帆布をはおった青年がタイチを助けます。
ワイルドで男性的なアクションシーン。
絵本を卒業したと思っているハリーポッター世代にお薦めの絵本。
最後にこの話が動物愛護をテーマにしていることを理解しました。
木内達朗さんの絵も重厚でこの話に深みを与えています。
出てくる言葉の古めかしさが、この絵本にとってはとても効果的に話の重厚感を高めていると思いました。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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