各界一流のプロの半生をインタビューで解き明かす人物ドキュメント、NHKBSで放送中の番組「100年インタビュー」の単行本化第2弾。今回は、日本を代表する作家・劇作家で、昨年(2010年)4月9日に肺がんのため亡くなった井上ひさしさんのインタビューをもとにまとめた。 5歳で父と死別、児童養護施設に預けられ、施設から高校に通学。上智大学に進学したが、東北なまりの悩みから吃音になり、釜石で働いていた母の元へ。製鉄所や漁業で沸く釜石は、母がいて、劇場もあって居心地がよかったと懐かしむ。たくましく働く母のつてで、図書館でアルバイトしたことがきっかけで文学のよさに気づき、作家を志して再び上京。浅草の劇場のコントを書いたり、ドラマの脚本の懸賞で稼いで大学の寮費をまかなった。その後、小説・戯曲で活躍し、1984年に劇団「こまつ座」を旗揚げする。 創作の原点と若い世代に伝えたいことを、ユーモアいっぱいに語る。
私は井上ひさしさんの大ファンです。私は昔、テレビの人形劇ひょっこりひょうたん島を観た時の衝撃は決して忘れることができません。それがきっかけとなって井上ひさしさんの様々な小説を読ませて頂きました。手鎖心中、吉里吉里人などは特に印象に残っています。だからこの本を読んで、とても感動しました。これは井上ひさしさんの文学への真摯な姿勢が伝わってくるからです。この本を読んで、井上ひさしさんの小説を読むときっと理解が深まると思います。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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