スーパーマーケットで働く、ちいさなショッピングカートには、 どうしても知りたいことがありました。 それは、買われていったものたちはどこに行くの? ということ。 そこである晩、お店を抜け出して、自分で確かめにいくことにしたのです。 せんたくばさみやゴミ袋、レタスにたまご、こしょうひき、 ドッグフードにフランスパンも外の世界に出て行った仲間に会いたいと、 みんなカートに飛び乗って、はじめての冒険に出発します! ショッピングカートと仲間たちのあてのない旅、 みなが知りたい答えはみつけられるのでしょうか?
ショッピングカートが仲間を連れて夜こっそり出かけていくなんて、わくわくする設定ですね。仲間たちも、なかなか魅力的な顔ぶれです。遠くを見る役をするベレー帽をかぶったフランスパン、雨がふると元気になるレタス、カートがゆれる度にこぼれてしまうドッグフード。仲間たちそれぞれの個性と、ちょっととぼけたやりとりには、クスクス笑ってしまいます。はじめて冒険する夜の街では、走り込んで来る車にひかれそうになったり、怖そうなゴミ袋たちから逃げたり、階段から転げ落ちる大ピンチも。結局、外に出て行った仲間たちに会うこともできず、みんな心細くて、今度はホームシックに…。 このお話を書かれたのは、オランダで活躍中の作家ビビ・デュモン・タックさん。ユーモラスでのびやかなストーリーは、起伏があって最後まで息をつかせないおもしろさです。 絵本作家ノエル・スミットさんのイラストも光っています。舞台や衣装のデザインなども手がけることもあるというスミットさん。濃淡のあるグリーンやブルーの色合いが美しく、ページをめくる度に奥行きあるおしゃれな町並みが現れます。カートと仲間たちがどこを走っているのか、見つけるのも楽しいですよ。仲間たちのクリクリした表情もとびきりかわいいので、ご注目くださいね。
(長安さほ 編集者・ライター)
小さなショッピングカートには、どうしても知りたいことがありました。スーパーで買われた品物は、いったいどこへ行くんだろう? そこである晩、ショッピングカートは、タマゴやフランスパンなどのなかまをのせて、店の外に、品物たちをさがしにでかけました! 夜の町での小さなぼうけんが描かれる、主人公がショッピングカートという、なんともユニークでかわいい、オランダ発の絵本です。
とても色彩がお洒落で綺麗な絵本だと思いました。小さなショッピングカートは、”お店で買われたものは、みんな何処に行くのだろう”と、どうしても知りたくなってお店の外に探しにいくことになりました。「ばくたちもつれってって!」と仲間がいるのは、心強いと思いました。迷子になった小さなショッピングカートを、心配して探しにきてくれたのは、鎖でつながった大きなショッピングカートたちでした。仲間がいるっていいなあと思ったし、仲間がいる幸せを感じました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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