小学校5年の香菜は幼い頃から、引っ込み思案で恥ずかしがり屋で、人前で話すことが苦手だった。 心配をした母が「ことばの教室」に通わせてくれて、高学年になるころには教室で発表したり友だちに話しかけたりもできるようになっていた。 それでも聞き上手で慎重な性格は変わることはなく、学校の中でも通学路でもいつもいろいろな事に耳をすませて観察をするので、皆が気がつかないことにも気がついてしまうのだ。 引っ込み思案な香菜が”聞き上手”と”観察眼”を武器に学校のいろいろな秘密を見つけ出し、友だちと一緒に解決していく、ほんわりとあたたかい学校ミステリー。
●もくじ● 第1章 朝の秘密 第2章 学年文庫の秘密 第3章 先生の秘密 第4章 読み聞かせの秘密 第5章 干支の秘密 第6章 続きの秘密 第7章 広瀬くんの秘密
主人公の香菜はたぶん場面緘黙(今はこの呼び方しないのかも)。けれど、それでも、自分のことを肯定して、毎日、学校生活を楽しんでいる。これがとってもいい! 無口でしゃべらない子が心のなかで、いろんなことをいろんな視点から、深く深く考えている。そうまるで名探偵みたいです。自分も小さいころそうだったなあと思うし、ひとり自分のなかで推理し、納得し、満足し、楽しんでいるところがいい。そして、クラスのみんながとてもいいのですね。自然体で文句言ったり、頼ったり。乱暴な男の子が最後のあたりで、「10年分話したんだぞ!」という台詞には、笑いながらでもついつい泣いてしまいました。好きな作家さん佐藤さとるさんの本も出てきて、ちょっとなにこれ〜と思いました。 (たこ焼きっ子さん 40代・ママ )
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