イギリス・リバプールからニューヨークへは定期船の3等客室でわたり、そこから蒸気船でパナマへ。そして、南米大陸の西海岸を小型船で下る。非常に長くて実に耐えがたい旅の末、1907年4月1日、我々はついにヤンナパルに到着。最後は豆スープのように濁った海と濃霧のなかを数日間進み、ミコが案内する古びた木造船で小さな島に到着した。そこには、鉢をふせたような形の火山があった。原生植物におおわれたその島は、原始時代のままだ。海岸に近づくと、草むらから奇妙な鳴き声が聞こえた気がした。それがしだいにはっきりと聞こえ出したとき、我々が話に聞いていた、その島にすみついている不思議な生き物に出あえるのではないかという期待が一気に高まった。そのとき、大佐は皆に向かって叫んだ。「まあ待て!すぐに恐竜に出あえる」
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