勉強も運動も苦手な友達の光平が、夏休みの間にすっかり変わった。運動も勉強も、ぼくよりできないと思っていたのに……。 夏休み明け、小学五年生の竜也は、友達の変化に複雑な気持ちを抱きます。水泳で「オボレンジャー」というあだ名をつけられるほどだった光平が40メートルも泳げるようになり、読書感想文の宿題も軽々と終わっているなんて。
いったい、光平になにが起こったのか。 光平に問いただすと、おばあちゃんからもらった日記帳に願いを書いたのだといいます。日記に書くと実現する? それって魔法の日記帳なの? 不思議に思いながらも、まねしてみる竜也。光平と同じ柄の日記帳を買い、願いごとを書いていきます。光平に教えてもらったように「なにかをしたい」という書き方ではなく「なにかをした」と自分に約束する書き方で。竜也が書いた願いは最初に6つとあとから加えた4つ。はじめの願いは「ぼくは一月一日から三日の間にお年玉を二万円ゲットした」「ぼくは四月一日におじいちゃんと遊園地に行った」など叶いそうなものでしたが、あとの4つは、「ぼくは七月二十日の終業式の日に、Aが五個ついた通知表をもらった」など叶えるのがとても難しそうな目標ばかり。運動でも勉強でもクラスの中か下ぐらいという竜也は、目標を全部叶えることができるのでしょうか。はたして日記に魔法はかかるのでしょうか。
魔法といえば「ハリーポッター」!! ハリーポッターの世界にハマっている竜也は、光平が十一歳の誕生日に魔法使いの家系であることが発覚したのではと考えてみたり、雑貨屋で見つけた羽根ペンを「秘密の魔法ペン」と名付けてみたり、何かとハリーポッターの物語と結びつけて考えてしまいます。そんな竜也の想像も本書の楽しさのひとつ。さらには、ハリーポッターの三人組(ハリー、ロン、ハーマイオニー)と同じように、竜也と光平ともうひとり合わせて三人組を結成したいと考えたりするのですが、はたしてもうひとりは見つかるのでしょうか。
『願いがかなうふしぎな日記』の続編となる本書。『願いがかなうふしぎな日記』の主人公である光平と、今回の主人公の竜也がいったいどのように自分の願いや望みを叶えていったのか。どちらの順番からでも2冊を合わせて読んでみるとさらに面白いですよ。 2冊に共通しての大きなみどころは、”望みを叶えるのは自分なのだ“と気づいていくその過程です。そして本書におけるさらなるみどころは、竜也が望みを叶えるために力になってくれる周りの存在の温かさではないでしょうか。良き相談相手のおじいちゃんをはじめとして、バスケ部ののっぽ女子で応援団長の大島さんや、クラスで勉強が一番できる女子の田中さんなど、竜也が自分で行動したからこそ育まれた友情に注目してみて下さいね。
誰か特別な人にだけ起こる奇跡なのではなく、誰もがどんな望みも叶えられる可能性がある。じゃあどうやって? その答えを本書と『願いがかなうふしぎな日記』は体験を通して教えてくれます。小学4年生から6年生ぐらいまでの、とくに自分に自信がないという子にそっと手渡したいお話です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
小学5年の竜也は、自分より運動も勉強も苦手な友達の光平が、25メートルを泳げるようになって、読書感想文も早く終わらせたことに驚いていた。光平は、おばあちゃんからもらった日記を書くようになって、別人のように変わった。
そこで竜也は、光平の「未来のことを過去のように書く」というのをまねして日記を始めた。最初は、「お年玉を2万円ゲットした」とか、「書き初めで『一念発起』と書いて提出した」など簡単な願いを書いて、6つの望みをすべてかなえた。そして、「運動会で、色組対抗の応援団長になった」と書いたら、ラッキーなことがあって実現した。ところが、「校内なわとび大会で三位内に入った」は、去年、得意のあやとびでも21位だった竜也には高すぎる目標だった……。
努力して望みをかなえるなんてかっこ悪いと思っていた竜也が、友達の影響で少しずつ努力し、成長していく姿を描いた物語。 『願いがかなうふしぎな日記』の続編。
小学校5年生の男の子が主人公の児童書です。
「望みがかなう魔法の日記」。
もしそんな日記があるなら、大人の私でもほしい!書きたい!(笑)。
プジティブな未来を書くことによってそういう方向にいく・・・っていう話も聞きます。
無意識のうちにポジティブ思考で頑張れるのでしょうね。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
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