「星を見つけるのが、おまえのやりたいこと?」 無言でうなずいたすばるに、駿馬は息を呑む。 「……わかんないけど、その夢、ハードル高すぎね? むずかしいんじゃないの」 「ハードルの高さは関係ない。あんたはむずかしかったからあきらめたのか? ……夢」 ビー玉みたいな目が駿馬を射貫く。浮かべた笑みは、挑発、いや、嘲笑だ。 駿馬はぽかんと口を開けた。 ジャブなしの右ストレート、またはロープに振らない三角飛びドロップキック。 ――強烈。 (本文より)
短距離走者(スプリンター)として期待されながらも、走れなくなった駿馬(しゅま)は、たったひとりで小惑星探索にいどむすばると出会う。中学2年生の初夏の物語。
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