J・K・ローリング(作家)、ケン・ローチ(映画監督)ほかイギリスで絶賛の嵐。 ついに日本語訳、登場!
「オーウェルが21世紀の英国に生きていたらこんな本を書いたはずだ」――ブレイディみかこ
なぜイギリスは混乱続きなのか? 最貧困地区で育った著者の生い立ちから解き明かす。 ――それは間もなく訪れる日本の姿でもある。
【ブレイディみかこ氏による序文より】 この作品は2018年のオーウェル賞を受賞している。ダレン自身の回顧録(=ポバティー・サファリ)と 新ラディカリズム論を融合させた本作は、ジョージ・オーウェルの『パリ・ロンドン放浪記』の現代版と評された。 選考委員長のアンドリュー・アドニスは本作についてこうコメントしている。 「これは緊縮財政を嘆き悲しむだけの作品ではなく、個人の力への賛歌だ。 社会全体に対する批評でもあり、個人の自由とエンパワメントを呼びかける声でもある」 これほど端的に本作の魅力を言い当てたことばもないだろう。 右と左だの、上と下だのといった大きなことばを用いた政治・社会批評(わたしもそんなことを言ったことがあるひとりだ)が見失ってきた 「人間」という基本のコンポーネントを本作は力強くルネッサンスさせているからだ。 その意味では本作は、「ポリティカル・ライティングを芸術に」というオーウェルの野望を継承する文学的政治批評と言ってもいい。 だからこそ、この本を読む者は、頭だけでなく心まで揺さぶられてしまうのだ。 そしてこの「個人的な経験に基づいたソーシャル・リアリズム」というオーウェルのテーマの王道を行く本の全体にこそ、 日本の人々がいま英国についてもっとも知りたいことが書かれているはずである。
著者プロフィール ダレン・マクガーヴェイ 作家、コラムニスト、ラッパーであり、社会問題へのコメンテーターとして定期的にメディアにも出演。 『ポバティー・サファリ』は初の著書であり、2017年に刊行されるとたちまちサンデー・タイムズ紙ベストセラーリストのトップ10入りを果たした。 訳者プロフィール 山田文 翻訳家。イギリスの大学・大学院で西洋社会政治思想を学んだのち、書籍翻訳に携わる。 訳書に『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』(共訳、光文社)など。 序文執筆者ブロフィール ブレイディみかこ ライター。1965年福岡市生まれ。96年から英国ブライトン在住。 著書に『ヨーロッパ・コーリング――地べたからのポリティカル・レポート』(岩波書店)、『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房) 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)ほか多数。
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