昭和21年、秋。 最後の戦闘から1年半、平穏が続く島に、島民が帰ってきた。 終戦を知らず潜伏を続ける田丸と吉敷は、ある日、米軍のゴミ捨て場で「戦争は終わった」と書かれた新聞を見つける。 敗けられない戦いだった。そう言われて命を懸けた。 しかし訪れない反攻の日、無警戒な米兵の姿、“敗戦"へとつながる事実の数々に、生き残った兵士は揺れる――。 戦争は終わっているのか、いないのか。 終わっている方がいいのか、終わっていない方がいいのか。 病に侵された仲間救うため、真実を確かめるため、吉敷はある決断を下す――。 玉砕の島で、覚悟を胸に、懸命に生きた若者たちの記録。 2020年1月刊
|