革命に翻弄される人民のあまりにも苛酷な日々 激動の時代、なぜ暴力の連鎖は起こったのか 飢餓、紅衛兵、粛清、裏切り、恐怖と混乱―― 毛沢東の野望と権力闘争の犠牲になった民衆たちの姿を圧倒的筆致で抉り出す!
優れたノンフィクションにおくられるサミュエル・ジョンソン賞受賞の著者が、 綿密な聞き取りと圧倒的な史料をもちいて文革の悲惨な歴史を明らかにする! 本書はディケーターの毛沢東三部作の一冊にあたる。
「著者は、一方では上層部指導者の権力闘争とめまぐるしい政策の変化を詳細に跡付け、他方ではそのような暴政に対する民衆一人ひとりの対応やイニシアティブを描くことに力を注いだのではなかろうか。つまり著者は、国家権力・政治指導者側の横暴と歪んだロジックをまず明らかにしたうえで、それに対する民衆一人ひとりの支持、同調、抵抗、逃避、無関心、創意工夫といったいわばサバイバル戦略ともいうべきものを描きたかったのではなかろうか。(…)
これまで文化大革命についての研究成果は、その複雑さ難解さゆえになかなか一般の読者に伝わりにくかったように思える。本書は、最新の研究成果を吸収しつつ、文化大革命の全体像をわかりやすく、また独自の視点も加えて書かれており、関連書の中でも一般の読者にとっては最良の一冊であるといえる。できるだけ多くの読者にお読みいだだき、中国現代史における未曾有の動乱期についての理解を深めていただきたいと切に希望している。」(監訳者解説より)
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