ゲーム理論や進化論,脳科学に偏重した最近の道徳性心理学は,「人間を希望のない存在」として捉えることに終始している。 こうした傾向に反し,本書は,アメリカ人女性として初めてノーベル平和賞を受賞したジェーン・アダムズ,黒人初の南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ,第2代国連事務総長のダグ・ハマーショルドなど,6人の「モラル・リーダー」を取り上げ,道徳的に生きる上で重要な3つの美徳(誠実,謙虚,信仰/信条)を切り口に検証。 道徳的選択(モラル・コミットメント)という人間の能力をいきいきと浮かび上がらせる。
[原書]Damon, W. & Colby, A. (2015). THE POWER OF IDEALS: The Real Story of Moral Choice. Oxford University Press
●本書で取り上げるモラル・リーダー ジェーン・アダムズ(米国女性初のノーベル平和賞受賞者) ネルソン・マンデラ(南アフリカ第8代大統領) ダグ・ハマーショルド(第2代国連事務総長) アブラハム・ヨシュア・ヘッシェル(ユダヤ教神学者/公民権運動・反戦運動の指導者) ディートリッヒ・ボンヘッファー(キリスト教神学者/反ナチ抵抗者) エレノア・ルーズベルト(F.ルーズベルト大統領夫人)
【主な目次】 第一章 道徳性の新しい科学の誤った展開 第二章 能動的で理想を追求する,動機づけられた道徳的自己 第三章 完全なる道徳性心理学を目指して 第四章 誠実 第五章 謙虚さ 第六章 信じる心 第七章 道徳的真実への普遍的な探求
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