なぜ、ノーベル賞科学者でさえも「コロナウイルス」が分からないのか? その理由は日本人独特の「検査至上主義」にあった!
◇第2波、第3波と押し寄せてくるコロナウイルス ◇この21世紀最大の危機に対して、さまざまな学者や研究者たちが発言している ◇しかし、これら「非専門家」たちの意見や予測は、ことごとくと言っていいほど、間違っているのが現状! ◇なぜ、ノーベル賞級の科学者や、最新統計理論などを駆使した予測は外れるのか? ◇それは、第一に「医学」への無理解、第二に「検査原理主義」にある ◇人間の体は宇宙よりも謎に満ちていて、素粒子よりも捉えがたい。そのことを知らないで、「机上の空論」で導きだされた論理が間違うのは当然なのだ ◇医療とは検査のみにあらず。その検査結果を活かすも殺すも医師次第 ◇しかるに日本人ほど「検査信仰」「最先端技術信仰」の強い国民はいない ◇病人を治すのは、あくまでも医者。検査はその補助ツールにすぎない ◇このまま検査原理主義を続けていくのは、日本医療の崩壊をもたらす!
【内容の一部より】 僕が感染症科医になったわけ 「日本一、ハードな病院」で武者修行 ニューヨークで知った最前線の医療現場 感染症医は世界のどこでも仕事ができる 一時帰国した日本での「失望」 今度は北京でSARSと戦う なぜ日本の感染症医療は世界から取り残されたのか 人が足りない、モノも足りない、システムがない
あらゆる「検査」は間違える ベイズ確率が教える「全員検査」論の過ち 陰性/陽性の境界線 患者さんの話を聞くことの重要性 「事前確率」を高めることが検査の価値を高くする 間違えるのは当然。大事なのは「マシに間違えること」 ウイルスを見ているだけでは何も分からない
リスク回避には優先順位がある 引き算の発想で対処する 僕のツイートが炎上した理由 マスクの効果は状況によって変わる 「ゲート」はゆっくり開かなくてはならない なぜ僕は「絶対に頑張るな」と言いつづけるのか
ウイルスとは哲学的な存在である 「物自体」に人間は触れることはできない 言葉が「物事の本質」を隠してしまう理由 「ワクチン開発ですべてが解決」というわけではない 「死」と向き合う時代の始まり
【著者略歴】 岩田健太郎(いわた・けんたろう) 医師。神戸大学医学研究科感染症内科教授。1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現・島根大学)卒業。沖縄県立中部病院研修医、セントルークス・ルーズベルト病院内科研修医を経て、ベス・イスラエル・メディカルセンター感染症フェローとなる。03年に中国へ渡り北京インターナショナルSOSクリニックで勤務。04年、帰国。08年より神戸大学。
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