梶本文也は35歳独身のサラリーマン。歴史が好きでアマチュア歴史研究会所属している。4月12日に京都の護国神社で坂本龍馬と中岡慎太郎の墓参りをし、近くに十津川村郷士中井庄五郎の墓を見つけ興味を持つ。中井庄五郎は17歳で京都へ来たという。幕末に十津川村出身者が御所の警備にあたったことで中井も勤皇の志士たちと仲良くなったらしい。梶本は、このような旅の日記を残し、東京の自宅で刀のようなもので殺害される。十津川警部は、京都から十津川村への足を延ばし、手がかりを探そうとするが……。幕末維新の地を舞台に描く長編旅情ミステリー。
【著者略歴】 西村 京太郎(ニシムラ キョウタロウ) 1930年東京生まれ。63年『歪んだ朝』でオール讀物推理新人賞を受賞しデビュー。65年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞、81年『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞受賞。十津川警部を主人公にした一連のミステリーは根強い人気シリーズ。05年日本ミステリー文学賞受賞。著作は「十津川警部 秩父SL三月二十七日の証言」で500冊を超えている。
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