大店の主に迫る凶刃! なぜ命を狙われたのか、いつまでも謎のまま…。
田宮流抜刀術の達人で、三味線の名手矢内栄次郎は、謎解きの鍵を握る男を追う。 だが何者かに先を越され、その男の口が封じられ……。
田宮流抜刀術の達人で、三味線の名手矢内栄次郎は、太物問屋『 和泉屋 』の大広間で開かれた会に地方として 三味を握っていた。 主人夫婦の舞台が終わり宴会に移る。主の藤右衛門は、 額が広く顎の尖った男の言で庭に出た。 男は土蔵の前に立つ藤右衛門の背後に迫った。匕首を手にして……。 目にした栄次郎は男の後頭部目掛けて小石を投げた。栄次郎は男から匕首をもぎとり……。
◆ 著者について 小杉健治 こすぎ・けんじ 「時代小説が書きたくて小説家を志した」と言う氏の面目を十二分に発揮した<栄次郎江戸暦>シリーズは、確実に大人の読者を魅了し、人気を不動のものにしている。 1983年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。87年『絆』で推理作家協会賞、89年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。 1947年、東京に生まれる。
|