神話に興味を持ちはじめたお子さんに手渡したい、神話を題材にした冒険絵本「ブラウンストーン一族のぼうけん」シリーズ。2作目の主人公は、怖がりな少女、マーシー・ブラウンストーンです。マーシーはブラウンストーン一族ではじめて冒険の旅に出た、アーサーの一人娘。
お父さんは、マーシーに冒険に出ることを勧めるけれど、暗闇が特に苦手なマーシーは冒険に出る気持ちなんて全くありません。しかし、あるとき、お父さんが、エジプトに冒険に出かけたっきり、一週間も帰ってこなくなりました。お父さんはマーシーの怖がりを直すため、知恵と月の神「トート」の本を手に入れようとして、スフィンクスの守るお墓の中にいるヘビに捕まってしまったのです。
お父さんを救うため、マーシーはトートと交渉し、太陽の神「ラー」の片目「月の目」を取ってくることになります。ラーの乗る太陽の船を探しに地の果てを旅するマーシー。彼女は無事に「月の目」を取ってくることができるのでしょうか? マーシーは父・アーサーと再会することができるのでしょうか?
知恵と月の神トート、太陽の神ラー、そしてスフィンクス……今回の神話は、そう「エジプト神話」です。エジプト神話の魅力はなんといっても神々の造詣の面白さ。月の神トートは「トキ」、太陽の神ラーは「ハヤブサ」の頭を持つ神様、あの世の神アヌビスは「オオカミ」の姿をしていて、ネコにそっくりの「バステト」はなんとネコの神様です。
絵本の随所にエジプト神話の神さまやモチーフが描かれているので、隅々まで絵を楽しめば、自然にエジプト神話に興味を持つことでしょう。ページの最後には、さらに詳しく知りたいという方に嬉しい、絵本に登場するエジプト神話の解説つき。おはなしを楽しみ、神話の知識も身につく、一冊で二度楽しめる作品です。
さて、マーシーを冒険家にしようとする父・アーサー。本作では「じぶんの町を、こわいばけものからすくった、りっぱなぼうけん家」となっていますが、彼も子どもの頃は「すごいことなんかしそうになかった」男の子だったんです。彼がどうやって「りっぱなぼうけん家」になったか知りたい方は、是非シリーズ一冊目の『アーサーと金いろのつな』を読んでくださいね。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
「ブラウンストーンいちぞくのぼうけん」シリーズの第二弾となる絵本。本シリーズは、主人公が、世界の神話や昔話に出てくる神々とかかわって活躍するお話になっています。本書では、こわがりな女の子マーシーが、行方不明になったおとうさんをさがしてエジプト(と明言はしていませんが)神話の神がみがいるさばくへたどりつき、太陽の神の助けをえて、月と知恵の神をだしぬき、無事におとうさんを助け出します。
ブラウンストーン一族の冒険シリーズの第二弾。
今度は、マーシーという女の子がエジプト神話の世界を冒険します。
ブラウンストーン家の展望台から物語が始まります。
この展望台も浪漫に溢れいていて、冒険への期待が膨らみます。
物語の筋にかかってしまうので多く書けないのですが、読み始めてすぐに嬉しい驚きがありました。
ドキドキするお話と可愛くポップで、ダイナミックなイラスト、魅力的な神様たち…ゆっくりと味わいながら読み進めたい1冊です。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子13歳)
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