太宰治の幻の遺書とみられる文書が、75年ぶりに発見された。太宰本人の筆である可能性が極めて高いことから、筆跡鑑定家の第一人者、南雲亮介が鑑定を進めていたが、真贋の結果がわかる前に自宅の仕事部屋で起きたボヤにより不審な死を遂げる。当初、現場で燃えたのは遺書の可能性のある文書とみられていたが、のちにただの白紙が焼失しただけと判明し、謎は深まるばかり。李奈が真相究明に乗り出すが、同時期に本屋大賞ノにミネートされた同業者の柊が行方不明になったことで、胸中は穏やかではない。太宰の遺書と気鋭の作家の失踪に果たして関連は!?
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