近年、国際化に伴い英語教育改革の必要性が叫ばれている。改革のために何が必要か。それは教師が変わること! 語彙・文法・慣用表現を中心に指導のこれまでのあり方を再考し、新しい方向性を示す。生徒の真の英語力を育むために。
■「まえがき」より 英語の学習に関しては夥しい数の書籍があります。これもその1冊になります。われわれも、これまでにも多くの英語関連の本を出版してきました。検定教科書、辞書、文法書、教授法など応用言語学者として幅広いトピックを扱ってきました。今、自分たちがしてきた仕事を振り返り、もし新たな一冊を足すとすれば、何を書くべきか。このことについて二人で議論しました。 そして、ひとつの結論に達しました。それは、英語教育の「エッセンシャルズは何か」を突き詰め、その結果を読者に提供するということです。名詞の“essential”を辞書的に定義すれば“basic things that you cannot live without”(Cambridge Dictionary)あるいは“a thing that is absolutely necessary” (Oxford Dictionary)となります。「絶対に必要な何か」ということです。 エッセンシャルズを明らかにするためには、肝心要の「英語力とは何か」を明らかにする必要があります。英語教育の目標は、端的に、学習者の英語力を高めることにあるからです。英語力とは何であるかが明らかになってはじめて、それを構成する要素としてのエッセンシャルズを引き出すことができるというのが、われわれ筆者がたどり着いた結論です。
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