レイチェルが迷いこんだのは超常気象・ブタ嵐のせいで人々が奇行に走るという不可思議な世界。意外な結末が待ちうける謎めいた物語。オーストラリア児童文学賞最優秀賞受賞作。
絵本から、一人読みの読書へ円滑に移行できる童話を探していた頃に出会った楽しい作品です。
表紙絵のブタが空を飛んでいる姿に笑いつつ手に取り、字を読めるようになったばかりの息子には少々早いかな?と思いながらも、一度目は私が何日かに分けて読んでやろうと購入しました。
変わり映えしない毎日に、ため息混じりに「いつもとちがうことが起きないかな」なんて思っていた主人公のレイチェル。
それは、風邪を引きベッドの上で、・・・。
熱で動けないレイチェルの家に、近くに住む看板屋さんのサンディーが、遊びに来ました。
サンディーは、レイチェルに言わせると、いつも面白い事の起こる羨ましい存在。
今日は二階まで、お見舞いがてらレイチェルの顔をのぞきに来てくれました。
レイチェルと今日も楽しいちょっとしたお話をした後、サンディー作の芸術作品(紙切れに描いた_パジャマ姿のレイチェルが広い野原をユニコーンに乗って駆けている_絵)をプレゼントしてくれました。
ありえない絵に笑っていたレイチェルでしたが、一人になりベッドの上で、「頭の中で思い描けることなら、絶対ありえないなんて言えない」というサンディーの言葉を思い出し、・・・。
第二章で、レイチェルが迷い込んでしまった異世界。
超常現象で、ブタが空を飛ぶ日がある世界。
運良くたどり着いた老夫婦バートとイーニドの家で聞いた事に、笑ってはいられなくなります。
ブタ嵐は、この世界の人々に様々な悪影響を及ぼし、さらにはレイチェルの世界からの迷い人が度々あるという事。
帰れる人もいるけれど、なかなか帰れない事もあるらしく、親子でドキドキしながら読みました。
とにかくレイチェルが戻って来れるよう、レイチェルと一緒に手に汗握り、読みました。
一週間くらい掛けて読むはずが、3日で終わり、息子に「もう一度」とねだられました。
それから2年後、小学2年の息子は、再び一人読みをしていました。
奇抜で愉快な表紙絵に笑わされながら、見事に不思議な世界へと引き込まれてしまう作品でした。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
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