AIロボットと人間がくりひろげる6つの物語――。体をつかう仕事や難しい仕事を機械にまかせるようになり、生きることは楽になるはずだったが、なぜか人間はいつまでも不幸だった。幸せになるにはまだ足りないと、新しいロボットをどんどんつくった。のちに「ヨゾラ紀」と呼ばれるこの時代は情報ツールが発達し、さまざまな物語が記録された。これは銀河政府公認の歴史資料「ヨゾラ物語ファイル」にある未来の実話である。
【空色の終わる場所できみは】 夏休みを祖母のいなかで過ごすことになったアオトは、行方不明になっていた天才科学者のおじさんを捜し始める。昔おじさんが作った金色のロボット「R3」から、おじさんの居場所を教えられるが、そこはあまりに危険な場所だった。 【パパはアンドロイド】 幼い頃に父親を亡くしたエミリは、ある日、ママから「結婚したいの」と告げられる。ママがいっしょになろうとしているのはアンドロイドの「セイ」だった! 結婚してからのママは浮かれているように見え、エミリはおもしろくない。だが、やがて驚きの真実を知る。 【空飛ぶホテルにて】 ケンはママといっしょに空飛ぶホテルで旅行をしていた。AIによる自動操縦で海の上を飛び、きれいな景色を楽しんでいた。だが、突然アナウンスが流れ、故障で墜落の危機にあることが伝えられる。5トン分捨てなければ、落ちてしまう! 客たちは争いを始めて……。 【限りなく小さなぼくらの話】 T国の人たちは毎月1歳ずつ年をとり、15歳になるとクラスでいちばん成績優秀な者をのぞき、外国へ出されてしまう。ケンは成績優秀でずっと自分は国に残れると思っていたが、だんだん成績が下がってしまって……。国家の秘密にいどむ少年たちの物語。 【逃げたユーレを追え】 ユーレはおばけ屋敷のスターロボットだった。トロッコに乗ってさまざまな幽霊ロボットを撃ち落とすゲームだが、ユーレを撃ち落とすことは誰にもできない。だがある日、ユーレがおばけ屋敷から逃げ出して大騒ぎになり……。ロボットと人間の不思議な友情。 【AI大統領の作りかた】 海の向こうの小さな国で、カリスマ的な人気で国民をまとめていた大統領が暗殺された。次の大統領を誰にするか、国は大混乱。議論の末に選ばれたのは、なんと「AI大統領」だった! AIが大統領になったら、どうなる?
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