「数学」という深淵な謎に魅了された、天才数学者たちの数奇な人生の物語
「数学なんていったい何の役に立つの?」学生時代、多くの人がそう感じ、苦手にしてきた「数学」。その数学に、なぜ数学者という人たちは夢中になるのだろうか。 数学者というと、“孤高の天才”や“奇異な人”のようにイメージされることもあるが、実際には、それぞれの人生の課題に思い悩み、ときに時代や社会に翻弄されながらも、数学という深淵な謎に真摯に取り組み、何よりも数学を純粋に楽しんだ、とても人間味あふれる人たちだった。 歴史上、偉大な成果を生み出してきた古今東西の天才数学者たちの数奇な人生を読み解きながら、そんな数学者たちのこころの深層に迫る。また、彼ら・彼女らの数学への取り組みをたどることで、「役に立つ」ことが必ずしも目的ではない、数学という学問そのものの魅力についても考えていく。
数学史にまつわる著書・訳書を数多く手掛けてきた著者による、人が何かを学ぶことについても深く考えさせられる、ユニークな数学者列伝。
一.和算文化:算額 二.ピュタゴラスの定理は誰のもの:ピュタゴラス 三.論証数学の始まり:エウクレイデス『原論』 四.すべてはアラビア数字から始まる:フワーリズミーとオマル・ハイヤーム 五.商人から数学へ:ピサのレオナルド 六.「神は数学者」:ケプラー 七.世俗と信仰の中で:パスカル 八.バロックの万能人:ライプニッツ 九. 魔女から聖女へ:アニェージ 十.女性数学雑誌:『レイディーズ・ダイアリー』と数学愛好者たち 十一.熱き数学者:フーリエ 十二.東欧から生まれた幾何学世界:ボヤイ・ヤーノシュ 十三.数の魔術師:ラマヌジャン
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