唯識思想から、法蔵菩薩論を問い直す。
唯識思想では、菩薩が仏になる道筋を、虚妄分別の止滅から意言分別の智慧の獲得として明らかにし、さらに、仏の正覚の智慧を、無分別智と無分別後得智に分けて明らかにすることで、自利利他を完成した仏の智慧の根本を明らかにしている。 唯識思想が説く仏の智慧を基本として、浄土教で説かれる法蔵菩薩と阿弥陀仏の根源的意味を明らかにすることで、往相回向・還相回向が説かれる意義を明確にする。
【目次】 序文 第一章 「虚妄分別」と「意言分別」とは 第二章 『無量寿経優波提舎願生偈註』(浄土論) 第三章 曽我先生の法蔵菩薩=阿摩羅識説に菩薩像を問う 第四章 唯識より浄土教の菩薩像を問う 結び 資料 跋文
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