トルコギキョウは、幅広い用途につかえるため、年間を通して比較的需要は安定している。ただし、農家にとっては、「ロゼット化(咲かない)しやすい」「栽培環境によって品質が落ちやすい」など、つくりこなすのが難しい品目でもある。今号は、それらを克服するための大苗定植法や、トルコの花色を取引相手に正確に伝える方法などを解説する。ダリアは、東北での生産を特集。そのほか、キクを中心としたホームユースフラワー(自宅で使うコンパクトな花)をつくる研究、ファレノプシスの省エネ栽培法、人気の多肉植物の培養法など。
【目次】 カラー口絵―植物成長調整剤(わい化剤)/簡易花色診断用カラーチャート/栽培バラの起原となった野生種 本書の読みどころ――まえがきに代えて ◆トルコギキョウ新技術 定植苗の生育ステージとその活用技術 RTF 苗活用技術による年内出荷および二度切り栽培 土壌病害の原因とその対策 二酸化炭素施用効果 流通の効率化に向けた簡易花色診断技術 ◆冷涼地ダリア 刈込み仕立て技術を用いた秋集中出荷(秋田県・佐藤良一さん) 農家手取りを最大化する工夫(福島県・塙町ダリア切花等生産推進協議会) ジャガイモやせいもウイロイドの感染 ◆ホームユースフラワーで稼ぐ ホームユースの現状と課題および対策 スマートフラワーの取組み アジャストマムの取組み キクの消費動向にあわせた新しい生産方式 物日用短茎規格での出荷に取り組む(愛知県・渡会清昭さん・康貴さん) 露地夏秋ギク 盆の物日需要に向けた計画出荷(広島県・高柴順紀さん) 植物成長調整剤(わい化剤)を使いこなす ◆ファレノプシス新技術 ファレノプシス栽培でのLED利用 加湿によるファレノプシスの品質向上 冷房コストを大幅に削減できる新技術 分業体制とリレー栽培による完全国内生産(栃木県・株式会社キヌナーセリー) ◆育種の基礎技術と品種育成 高速開花技術による「花開くエゾリンドウ」育成 キクの育種 花弁先端に複数の突起をもつ「かがり弁」の3 品種を育成 スターチス(リモニウム) 消費者・生産者目線に根差した育種の確立 テッポウユリ 上向き,コンパクト,無花粉,八重咲きの品種育成 ◆人気品目の栽培技術と生産者事例 野生種と栽培バラの成立 切り上げアーチング方式 都市農業としての切り花の安定的な生産販売を目指す(神奈川県・福岡美浩さん) 3 月の需要期に長くて充実したステムの切り花を供給(神奈川県・吉田光晴さん) テッポウユリ 優良種球生産による高品質球根づくり(鹿児島県・柳安秀さん) 都市を彩る緑化植物生産(埼玉県深谷市・清水秀一さん) ハオルシアなどの多肉植物の培養苗生産 ラナンキュラス ウイルス診断と対策
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