「思いやりを持って」と言うけど「思いやり」ってなんだろう? そう思ったことのあるお子さんは多いはず。本書はいろんなシチュエーションで「思いやり」について考えられる絵本です。
例えばめいちゃんが大好きなチョウチョを捕まえて「ほら、みてー!」とれんくんに見せたときのこと。れんくんは逃げ出してしまうのですが、めいちゃんにはどうしてかわかりません。そこへ登場するのが、心の糸電話の「ココ」と「ロロ」。糸のはじとはじにくっついた、双子の紙コップのようなココとロロは、めいちゃんとれんくんにそれぞれピタッとくっついて、心の声を伝えてくれます。
「どうして逃げたの?」「何が苦手?」「ほんとは何が好きなの?」と耳をすませると、お互いの気持ちや心の中を知ることができて、ホッとしてにっこり。他にも、おにごっこをして遊んでいる友だちの中で、悲しそうな顔をしている子に、みんななら、どんなふうに声をかけるかな?と考えて……その子の心の中を一緒に想像してみるページもあります。
また、プレゼントをもらったとき「ありがとう」って相手に気持ちを伝えることや、お部屋の真ん中で絵本を読んでいる子に、「ちょっと邪魔で困っているんだけど、なんて言おうかな?」など、家族以外の人との関わりが増えてきた子どもにちょうどいい、日常的によくあるシーンがいろいろ登場します。
本書を読んで感じたのは、「思いやりって、多分、相手の気持ちを考えることから始まるんだな」ってこと。「あのとき、どんなふうに振る舞えばよかったの?」とモヤモヤしたり「わかってもらえない!」とぷんぷんするより、お互い心がぽかぽかするような日常にできたらいいですよね。「どんな気持ちかな?」って互いに想像することの大切さを学べる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
おもいやりって こころが ぽかぽかするね。 プレゼントをもらったら……、ともだちが しっぱい しちゃったら……、こまっていることを つたえたいとき…… こんなときどうする?
人と関わるとき、「おもいやり」の気持ちがあると、とってもすてき! 相手の気持ちを想像しながら、「おもいやり」について考えてみませんか?
友だちの気持ちを知りたい子どもたちを、心の糸電話がお手伝い。子どもによくある場面を見ながら、おもいやりについて考えられる。
|