サリンジャーの戦争体験と柳田國男の恋。終生秘められた「実験」の記憶から、文学への態度において不思議なほどに似通う二人が追い求めた〈生きた「もの」〉を透視する驚異の批評。 第162回芥川賞候補作『最高の任務』に続く阿佐美家サーガ≠フ特異点「フィリフヨンカのべっぴんさん」を含む書き下ろし/単行本未収録の掌編9本(総120枚)、実感に向かって書くこと、〈生きた「もの」〉の痕跡が「残される」ことをめぐる書評28編を併録。
【目次】 掠れうる星たちの実験 書評 『職業としての小説家』村上春樹 『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』J・D・サリンジャー(金原瑞人訳) 『アナーキストの銀行家 フェルナンド・ペソア短編集』フェルナンド・ペソア(近藤紀子訳) 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』ジェイ・ルービン編 『ののの』太田靖久 『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア―序章―』J・D・サリンジャー(野崎孝、井上謙治訳) 『サピエンス前戯』木下古栗 『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』竹内康浩、朴 舜起 『柳田國男全集31』柳田國男 『ナチを欺いた死体 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』ベン・マッキンタイアー(小林朋則訳) 『揺れうごく鳥と樹々のつながり 裏庭と書庫からはじめる生態学』吉川徹朗 『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子 『いまだ、おしまいの地』こだま 『契れないひと』たかたけし 『自然な構造体 自然と技術における形と構造、そしてその発生プロセス』フライス・オットー 他(岩村和夫訳) 『記憶よ、語れ 自伝再訪』ウラジーミル・ナボコフ(若島正訳) 『?外随筆集』森?外(千葉俊二編) 『佐倉牧野馬土手は泣いている(続)』青木更吉 『松本隆対談集KAZEMACHI CAFE』松本隆 他 『現代児童文学作家対談5 那須正幹・舟崎克彦・三田村信行』神宮輝夫 『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット(東辻賢治郎訳) 『トンネル』ベルンハルト・ケラーマン(秦豊吉訳) 『今日を歩く』いがらしみきお 『手賀沼周辺の水害 ―水と人とのたたかい4?0?0年―』中尾正己 『海とサルデーニャ 紀行・イタリアの島』D・H・ロレンス(武藤浩史訳) 『声と日本人』米山文明 『ライ麦畑でつかまえて』J・D・サリンジャー(野崎孝訳) 『案内係 ほか』フェリスベルト・エルナンデス(浜田和範訳) 創作 八月七日のポップコーン センリュウ・イッパツ 水戸ひとりの記 両さん像とツバメたち 鎌とドライバー 本当は怖い職業体験 This Time Tomorrow 六回裏、東北楽天イーグルスの攻撃は フィリフヨンカのべっぴんさん
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