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弱さを愛せる社会へ 分断の時代を超える「令和の幸福論」

弱さを愛せる社会へ 分断の時代を超える「令和の幸福論」

著: 野澤 和弘
出版社: 中央法規出版

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作品情報

発行日: 2023年08月28日
ISBN: 9784805889459

282ページ

出版社からの紹介

経済成長という“宝島”のない社会。
そこに暮らす私たちの幸福のかたちを“スロー”に考える

少年犯罪の厳罰化、いじめ、ひきこもり、自殺、津久井やまゆり園事件、障害者の身体拘束、ALS嘱託殺人、依存症、虐待する親たちの増加、正社員の解体――
少子化対策の重要性や多様性の尊重が叫ばれるのとは裏腹に、若者を“有用性”の檻に閉じ込めていじめや自殺に追い込み、重度の障害者を明確な理由なく身体拘束することがいまも行われている社会。
片や、大人の世界でも正社員の解体など雇用環境の悪化が進み、そのストレスを受けた親たちからの「見えない虐待」に子どもたちは苦しむ…。
バブル経済崩壊以降の“劣化”する社会の現実とこれからの時代の“幸福のかたち”を、若者・家庭・障害者などの視点から社会の変化を見続けるジャーナリスト/重度知的障害者の父が深く、ゆっくりと考える。


【主な目次】
はじめに
第1章 あの風はどこへ… 1996年から考える
第2章 未来がすりつぶされる
1少年事件と厳罰化
2内向するエネルギー
3 自信をもてない若者たち
第3章 大人たちの憂鬱
1父というリスク
2 尾崎豊は何を壊したかったのか
3 解体される正社員
第4章 楽園とスティグマ
1津久井やまゆり園事件の深層
優生思想は誰にもある/政治や社会のせいなのか/やりがいはどこで変質したか ほか
2 人間にとって自由とは
身体を拘束する理由/切迫性・非代替性・一時性/やまゆり園と神奈川県 ほか
3 ALS嘱託殺人
ネットで嘱託殺人を請け負う/見え隠れする「ゲーム感覚」 ほか
第5章 令和の幸福論
1生きるとは何かを失うこと
動かなくなる体/言葉がつなぐ希望/障害者のリアルに迫るゼミ/言葉を失う東大生 ほか
2 当事者という希望
私は、なにもの?/ストレスからの転落 ほか
3ゆっくり歩くと風がやさしい
内面を深く見つめ耕す人たち/時代を反映する文学/居場所とは何か ほか
終章 宝の島はどこにある
おわりに


【著者情報】
野澤和弘(のざわ・かずひろ)
毎日新聞客員編集委員、植草学園大学副学長・教授
1983年、早稲田大学法学部卒業後、毎日新聞入社。長年、社会部記者として活躍。"ひきこもり”をメディアとしていち早く取り上げた「ガラスのくに」、児童虐待防止法成立のきっかけとなった「殺さないで」など、若者・家庭・障害者の視点から社会を捉えた調査報道で知られる。社会保障担当の論説委員を10年務めて退職し、現職。
障害福祉関連の政府検討会委員を歴任するほか、津久井やまゆり園事件には利用者支援検証委員会メンバーとして関わり、東京大学「障害者のリアルに迫るゼミ」の主任講師も務める。重度の知的障害・自閉症の子どもの父。

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