その道は、韓国・済州から九州、東北へ繋がり、 さらに海を越えていく――。
民主化運動から「済州オルレ」まで ソ・ミョンスクの激動の人生! 家々の庭先から村の通りへとのびる小道、それを済州島では「オルレ」と呼ぶ。 暮らしとともにあるその道は、私的空間と公的空間を結ぶ道でもあった。 2007年、歩くことに魅せられたひとりの女が トレッキングコースに「済州オルレ」という名をつけた。
オルレのひとつずつは細く短くもあったが、 それらが少しずつつながることによって 誕生から5年で、島を一周できるまでになった。 女ひとりではじめたつもりだったが、 いつしか家族を巻き込み、 気づくと済州海洋警察や西帰浦市庁を動かしていた。 アショカ財団が選定する、社会に変革をもたらす 〈世界有数の社会起業家〉である アショカ・フェローにも、韓国ではじめて選ばれた。 オルレはやがて海を越えて日本へとわたり、 2012年には九州オルレ、2018年には宮城オルレが誕生した。 その地ならではの風土、海山の姿、人の温もりとともに歩くオルレに、 今日も多くの人が集い、汗を流し、風に吹かれている。
...................................................... 〈はじまりの人〉は新しい発想と実行力で 私たちの人生をより豊かにしてくれた人々を紹介する、 クオンのノンフィクション・シリーズです。 ......................................................
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