昔、茨木のり子さんが書かれた詩人評伝の一つです。 金子光晴氏がご健在のときで、何度もご自宅を訪ねて取材なさったそうです。
金子氏は子どものときからあまのじゃく精神がおうせいで、22歳のとき、「反対」という詩を書いています。
僕は少年の頃 学校に反対だった。 僕は、いままた 働くことに反対だ。 (中略) 僕は信じる。反対こそ、人生で 唯一つ立派なことだと。 反対こそ、生きてることだ。 反対こそ、じぶんをつかむことだ。
金子氏を師と仰ぐ茨木さんは、「皆にはまだはっきりとは意識されてはいないけれども、 この人の存在そのものが、日本を深いところで支える大きな手の一つであることを 時は次第に解明してゆくだろう」(弥生書房刊「金子光晴詩集」)と書いておられます。 そのおもいは、その時も今も変わりません。
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