ベストセラー絵本はこうして生まれた!『スーホの白い馬』『かさじぞう』の赤羽末吉、初の画集。 50歳でデビューし、80歳で亡くなるまでに90冊の名作絵本を生み出した絵本界の巨人・赤羽末吉。その二百数十点の絵本原画をはじめ、スケッチや写真、習作、詳細なダミーなど、初公開資料を多数収録。絵本づくりの神髄がわかる決定版!
「真の文化財としての絵本」――松居直(福音館書店相談役) 「気品のある絵」――神沢利子(作家) 「絵筆を持った演出家」――松本猛(安曇野ちひろ美術館館長、長野県信濃美術館館長)
<特別付録> 全長177cm満州人形巻物
<収録原画> 『かさじぞう』『スーホの白い馬』『だいくとおにろく』『ももたろう』『王さまと九人のきょうだい』『源平絵巻物語』『つるにょうぼう』『水仙月の四日』『そら、にげろ』『したきりすずめ』……ほか
今、赤羽末吉さんのことを勉強中なので、毎日この本を読んでいます。
この本やエッセイを読みながら、また赤羽さんの絵本の絵をじっくりと見ると、赤羽さんの絵にかけられた情熱やこだわりがいかにすごいものであったかが伝わってきます。
私が最初に感動したのは、150ページのこの言葉でした。
「私が満州から引き揚げて、都営住宅のささやかな庭に、花をいっぱい咲かせてそのなかで子どもたちを遊ばせた。
子どもは花を意識せず、賞でもしない。しかし、美しい花々はかならず子どもの心に作用していると思う。子どものだいじな環境を作っている絵本は、この花々でなければいけない」
今、絵本が消費されるように出版される時代にあって、二年がかりで『スーホの白い馬』を描き直し、ある作品には五年がかりで、
絵を描く時はどんな和紙に描くかその和紙の選定にこだわり、日本の自然を描く中間色を出すことに力を入れるような絵本作家さんがおられるのだろうかと思います。
一作一作に正に入魂の思いで向き合った画家だったのだなあと改めてその偉大さ、絵の素晴しさを再発見しているところです。
小澤俊夫さんに、赤羽さんの昔話絵本が最後の昔話絵本と言わしめた赤羽さん。
その大いなる遺産といえるべき作品群を、子どもたちに伝えていきたいなあと思いました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
|