パンを焼くにおいにさそわれて、森のくまの子が町はずれのパン屋にやってきました。パン屋さん夫婦とくまの子の愛情あふれる物語。
後半がちょっと切なく感じましたが、くまちゃんのけなげさや素直さは全編を通じて変わりなく感じられました。
くまちゃんのお父さんはただで物をもらうわけにはいかないという律儀さがありますし、
パンやのおかみさんは、けじめやしつけを大事にしていて、それを時々口にしています。
そんなところに今時の本のようなスピーディさはありませんが、
丁寧にじっくりと生活している人たちの機微が書きこまれている気がしました。
日本的な考え方が随所に見られますし、時代が変わっても大切にしていきたい考え方とあるように思いました。
また、くまちゃんの成長ぶりも感じられ、くまちゃんの子どもらしいかわいらしさも感じられる児童書です。
一人読みするなら中学年ぐらいでしょうか。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
|