今日はクリスマス・イブ。サンタさんは大きなソリにたくさんのプレゼントをのせて、準備も万端。おくさんに見送られて、今年もプレゼント配りに出発です。トナカイにひかれて雪の降る夜空を駆けぬけるサンタさんは、憧れのイメージそのもの。
ところがこのサンタさん、とっても気のいいサンタさんなのです。道の途中で泣いていねこちゃんや、捨てられているこいぬを見かけたら放っておけないのです。あひるさんもことりさんも、捨てられたおもちゃやぬいぐるみ、おばけまでも。仕事の最中だったとしても放っておけないのです。
やっと全ての仕事が終わり、後はからっぽになったソリをひいて家まで帰るだけ……のはずが、いつの間にかソリの上がいっぱいになっていて!?
思わぬ展開に驚きと笑いがとまりません。さとうわきこさんが描く、気のよすぎるサンタさんと、それを全て受け入れてしまう豪快なおくさん。そのやりとりの面白さは期待通り! 1983年に初版が刊行されたこの絵本が嬉しい復刊です。時代をこえても、この愉快であたたかで幸せな空気は色あせることがないでしょう。コマ割りや吹き出しの効果でテンポよく楽しめます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
プレゼント配りで大いそがしのサンタさん。でも、どこかで誰かがないています。サンタさんは、ないているみんなを家へ招待します。
マンガ形式の描き方は、有名なレイモンド・ブリッグズのサンタさんの絵本に、あえて似せたのかな?という感じもしますが、中身は正真正銘、さとうわきこさんらしい(ばばばあちゃんに通じる)にぎやかなクリスマスのお話です。
題名通り、きのいいサンタさんは、クリスマスイブの夜、プレゼントを配りに行って、すてねこやら、すていぬやら、すてあひるやら、こわれたおもちゃやら・・・etcとにかく何でも拾って帰ります。
そりにも乗らないくらいたくさんのお客さんを、捨てられたバスまで使って、何とかつれて帰ると家では・・・?
今までにも、いろんなサンタさんの絵本を読んだけど、サンタさんの奥さんが出てくるのは初めて見ました。
たくさんの登場人物をじっくり見るのが、めちゃくちゃ楽しいです。特に我が家のお気に入りは、火星人とおばけかな? (ぼのさん 30代・ママ 男の子10歳、女の子7歳、女の子3歳)
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