幼少の記憶につながる、宝物のような物語。著者のウェッタシンハさんは、その色彩の豊かさと、 のびのびとした絵で親しまれているスリランカを代表する絵本作家です。 この『わたしのなかの子ども』は、今も著者自らのなかに生きつづける半世紀以上も前の子ども時代の記憶を、 当時の様子を詳細に語る60 余点の美しい挿絵とともに鮮やかに描いた物語です。 物語の舞台はスリランカの南、ゴール市郊外の小さな村ギントタ。 緑の隠れ家のようなこの静かな村で、家族の愛情に育まれながら魅力あふれる村人たちと、 著者は6 歳になるまで過ごします。土地の風土や、悪魔祓いの儀式のような古くからの風習、 四月に迎えるお正月やその後やってくるウェサック祭などの伝統的な行事、 そして互いに支え合って生きる人々ののどかな暮らしぶりなどが、まるでつい最近のことのように 生き生きと綴られ、一昔前の遠い国の美しい村へと私たちを誘います。 少し前の日本の風景ともどこか重なり、そのまま読む人の幼少の記憶にも繋がってゆく宝物のような物語です。 豊富なカラーの挿絵とともに、どうぞお楽しみ下さい。
スリランカのしかもかなりむかしの話なのに、
まるで日本の昭和のいなかみたいで
どこかなつかしさをかんじさせます。
でも、悪魔祓いなどは異文化を感じさせ、
おもしろかったです。
ここに流れる時間がゆるやかで、
そこにくらす人びとも余裕があり、
こどもも自由に親戚・近所の家を行き来することができ、
いいなあと憧れました。 (まことあつさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子3歳)
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