◆もくじ◆ 一、東日本大震災、そのとき 二、花形蒸気機関車に憧れて 三、機関車C58との出会い 四、試走実験にC58106を選ぶ 五、「燃えろ、燃えろ」間断なくー石炭を入れ続けてー あとがき 井上謙 あとがきに寄せて 井上聰 主要参考文献
この物語はわたし(岸本喜一)の体験を下書きにしたフィクションで、第二次大戦の末期、花形の機関士に憧れて構内手となり、懸命に下働きした少年たちのSLへの愛と苦闘を描いたものである。 師の森先生はわたしが研究している横光利一の秘蔵っ子、愛弟子であり『月山』で文壇や歌曲をはじめ映画、日本舞踊、演劇界に広く影響を与えた方である。わたしの前作紀行小説『中国大河の旅』(柿の葉)も、本作の「C58坂を上る」もその題名を先生がおつけ下さった。 今回、約十年あまりをかけてその作品が完成できた。先生の示唆である「一日一枚」を中断した己の怠惰を恥じつつ、天界の先生に感謝を込めて、ご報告出来ることをお許し願いたい。(著者あとがきより抜粋)
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