こぐまのハンシは元気いっぱいのいたずらっ子。ぐるりと回ったり、ぴょんと飛んだり、ブランコしたり、外で遊ぶのが大好き。 でもその分、痛い思いをすることも多いのです。
そんな時は、お父さんがハンシをぎゅっと抱きしめて、「よーし、よし! もうだいじょうぶ。すぐによくなるよ」と言ってくれます。するとあら不思議、本当に痛みがどこかへとんでいき、ハンシはまた遊びに飛び出すのです。でもあるとき、お父さんが足をひきずりながら帰ってきて……。
「よしよし」ではなくて、「よーし、よし!」。声に出してつぶやくと、そのおおらかな響きにほっこりした気持ちになります。大きなお父さんぐまが、大切そうにぎゅうっと小さなくまを抱いているカバーが、この絵本の世界を体現しているかのよう。 ページを開く前から、心地良いぬくもりが心の中に満ちていくような気持ちになります。
愛くるしいハンシとともに、森の中で楽しそうに過ごす動物たちの姿も見逃せません。ハンシと一緒にでんぐり返しする小さなアヒル、小鳥をぎゅっと抱きしめる親鳥、強い風に飛ばされそうになって岩につかまるネズミ、楽しそうにブランコをこぐリス……。そこかしこに温かさを発見します。そして、冒険と発見がいっぱいの森の毎日を垣間見ることができます。
子どもが、遊びに夢中になったり、冒険をしたりできるのは、見守っている優しいまなざしと、帰るところがあるという絶対的な安心感があるからこそなのかもしれません。
元気のないお父さんに、こぐまのハンシがしてあげたこととは……? 思わず笑顔がこぼれ、あなたの大切な人をぎゅうっと抱きしめたくなる一冊です。
(光森優子 編集者・ライター)
こぐまのハンシは、元気いっぱい。ころんだり、木にぶつかったり、いたいめにあっても、すぐにおとうさんがとんできて、ちゃんと手当てをしてくれます。ところがある日、おとうさんがけがをして……。心あたたまる親子の物語。
4歳の息子と読みました。
こぐまのハンシとおとうさんのやり取りがなんともあたたかく微笑ましいです。
転んだり、木にぶつかって怪我をしちゃうハンシを見守り、いつも「よーし、よし!」と抱きしめてくれるおとうさん。
でも、そのおとうさんが怪我をしてしまった時は、ハンシがやさしく介抱してあげるんです。
読み終わってから、表紙の絵を見返すと、ますますこの親子がうらやましくなってしまいます。 (クッチーナママさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子6歳、男の子4歳)
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