著者紹介によると、たちもとみちこさんの好きな色は灰色ですって。
だからでしょうか、白黒灰色の世界へのリスペクトを感じます。
白の国のしろおうさま、黒の国のくろおうさまのストーリー。
白はともかく、黒の世界も、なかなかにスタイリッシュでいい感じです。
お互い相手の色は嫌いという事で、両国の間には灰色の森が広がっているのです。
何とも心理的にも絶妙な設定ですね。
そこへやってきたのが7人の色彩の小人たち。
赤、青、黄色、緑、オレンジ、紫、茶色なのですが、
コラージュでしょうか、それぞれ実に独特の風合いの色彩が鮮やかです。
そして、一人ずつ、森に色彩が重ねられていくのですね。
白黒灰色の世界でしたから、それはそれは、視覚的にもインパクトがあります。
色彩があればこそ、果物は美味しく、花は美しく、いい香りも心地よいのですね。
もちろん、その良さを体感した両おうさまも、ね。
色彩をたっぷり楽しむことができそうです。
幼稚園児以上くらいから、色彩の恩恵を体感してほしいです。