ベスコフの絵が大好きな娘。
この本も、まずは表紙の絵にじっくり見入って、
「わあ、きれいだね。」と溜め息混じりに言いながら、いつものように、
「ママは、どの子が好き?」と、花の精たち一人一人をうっとりと眺めていました。
ところが、突然、「ぎゃっ」と叫び声をあげて、後退りするような仕草を見せたので、何事かと思ったら・・・。
「何これ〜?」と娘が指差すところを見ると、得体の知れないまあるい顔のおばけ?が、にたーっと大きな口を開けて、横たわっているではありませんか!
これには、私もびっくり。
季節柄(ハロウィンの前)、「パンプキンかなあ?」と話しながら、「それにしても、変な生き物だよね。なんで、ここに、こんなのが寝転んでるの? 『この絵をご覧くださ〜い』とか言ってるのかなあ?」と、娘も不思議がっていました。
そして、「ベスコフさんって、意外に面白い人なのかもしれないよ」と、二人の意見が一致して、いっしょに笑いました。「8月」のページで、この正体が明らかになり、再び大笑い。
そういうことだったのね!
そのほかの絵は、本当にベスコフらしく、ただただ見ているだけで、しあわせな気分になれます。
特に、娘が気に入ったのは、星形の黄色いあまなの花の精。ドレスのデザインが、とってもすてきです。
それぞれの月の詩が、1月から順番に書かれているのですが、最初の「一年間」の詩を読んで、自分の誕生月の11月が、
「こがらし ふいて さびしいな」と詠われていることに驚き、ちょっぴり不満を持った娘。
ベスコフの生まれ育ったスウェーデンは、北欧にある国で、冬も早く来ることを教えてあげると、
「ここでは、11月は、実りの季節だよね。栗や柿や山葡萄や、いろんな実がたくさん生って、葉っぱも1番きれいになる季節なんだよね。」と、自慢気に話していました。
そして、「10月」の絵を見て、
「これが、日本の11月の風景だね」と目を輝かせていましたが、「11月」のページをめくると、お母さんが赤ちゃんをだっこして、絵本を広げ、その傍らには、暖炉の火を見つめる子どもたちの姿があり、
「この絵も、とってもしあわせそうだね」と、親子で温かい気持ちに包まれました。
本当にどの季節も待ち遠しくなるような、喜びにあふれた絵と詩でつづられたすばらしい作品です。