貧しい農家の食卓を支えている鶏たち。
その中心にいたのが雄鶏のチャンティクリアでした。
そのチャンティクリアがキツネに襲われる怖い夢を見たとき、雌鶏のパートレットに言われて、自分のプライドから大きな過ちを犯してしまいます。
キツネに会っても、警戒心を持つのではなく、話術にだまされてくわえられてしまいます。
苦しみ紛れのとっさの機転で、チャンティクリアは九死に一生、間一髪助かります。
このとっさの一言がこの絵本がこの絵本のキーポイントだと思います。
この本はカンタベリー物語をベースにしており、中世当時の社会風刺が入っているとのことですが、キツネとチャンティクリアのやり取りといい、チャンティクリアとパートレットのやりとりといい、いろいろな要素が散りばめられています。
自分は残念ながら深読み出来なかったのですが、充分に楽しめるし教訓的な絵本かと思います。
ただし、貧しい農家の家族があまりこの話の中に絡んでこないのが少し物足りなくも思いました。
すっきり感のある絵と鶏の描き方が印象的な絵本です。