「まあちゃんのながいかみ」などの絵本で知られる高楼方子さん。
今回は長編小説を読みました。読み応えがありました。
12最のフー子が、いとこのマリカや映介、おじいさんやお手伝いのリサさん、汀館の人達と過ごす夏休み。
扉の向こうの庭に潜む闇。闇に消えたおばあさん。チェルヌイシェフというロシアから来た時計職人。
後半は謎が溶けていく心地よさを感じました。
近寄りがたかったおじいさんが、とてもやさしくなったこと。夏期講習に行かずにフー子と過ごしたことをよかったと思うマリカ。
不思議な体験を経て、映介への自分の気持ちに気づくフー子。
またいつもの生活に戻っていくけれども、汀館で経験したことは、フー子の心の中で大切なものとなることでしょう。
幸せな気持ちにしてくれる素敵なお話でした。