おとうさんの庭」 みんなの声

おとうさんの庭 作:ポール・フライシュマン
絵:バグラム・イバトゥリーン
訳:藤本 朝巳
出版社:岩波書店 岩波書店の特集ページがあります!
税込価格:\1,870
発行日:2006年09月
ISBN:9784001108880
評価スコア 4.5
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みんなの声 総数 15
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  • パパに読んで欲しい作品

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    ポール・フライシュマンと言えば、評価の高い「ウエズレーの国」がつとに有名です。
    この絵本も、素晴らしいの一言に尽きます。
    文句なしにオススメ、それも世のパパに読んで欲しい作品です。

    物語の時代背景は、アメリカ開拓時代。
    登場するのは、農夫とその3人の男の子供達。
    奥さんがいないと言う設定なのですが、これがこの絵本の肝なのです。
    そして何よりも注目したいのは、着ている服。
    とても農夫一家とは思えないのですが、時代を反映しているということなのでしょう。

    子供達は、農夫の仕事を手伝うのですが、みんな働き者で歌いながら仕事します。
    「長男が御者の歌を歌いだすと
     他のふたりも一緒に歌いました。
     次男は海の歌が好きで
     末っ子のお気に入りは、
     旅のバイオリン弾きの歌でした」
    とあり、これが、ストーリーの大きな伏線になっています。

    その後、長く続く干ばつがあり、農夫一家は、農場を含めた全てを失ってしまいます。
    開拓時代の厳しさを伝えてくるシーンです。
    農夫一家は止む無く刃物を研ぐという仕事で食いつなぐことになるのです。

    それから、三人の兄弟は独立していくのですが、その時の農夫の言葉が秀逸です。

    「本当は、お前達1人1人に、何か残してやりたいと思っていたが、今では、分けてやる土地もない。
    そこでだ、大事なことを言っておくよ。
    大きくなったら、よくよく考えて、仕事を選ぶんだ。
    いいかい、お前達は、自分で生きていかねばならないのだからね」

    私の上の子は、高校生ですが、大学を選択するにあたり、将来をどうしたいのかを語る時期にきています。
    漠然とではなく、こんな風に将来像を語れることは、パパには必要です。

    後半は、生垣が大きなポイント。
    農夫は、「生垣は、きっとお前に答えを出してくれる」と言うのですが、なりたいものが、生垣で刈り込むことで分かるというのです。
    これって、深層心理そのもの。
    なるほど、良い例えのストーリー展開ではないでしょうか?

    オチも納得できる出来栄え。
    文章が長いので、読み聞かせには一寸向かないかも知れません。
    小学校高学年位から読める内容だとは思いますが、やはり、この絵本は大人に読んで欲しい作品です。
    それも、子供が将来を見据えないとならない時期に差し掛かる大人、それもパパにオススメします。

    投稿日:2011/02/05

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  • 父親の人生と子どもたちの巣立ち

    男手一つで三人の息子を育て上げた人生のお話。
    動物たちに囲まれた裕福な生活が、動物を手放し土地を手放し、小さな小屋で生活することになった家族。
    その大変さの中で、お父さんは生垣を手放した動物の形に刈り込んで心を慰めます。
    そして、子どもたちの自立。
    生垣は子どもたちに様々な形で自分の生き方を教えてくれました。
    父親は「生垣が教えてくれたのではなく、自分たちの心にあった願いがそのようにみせてくれたのだ」と語ります。
    素晴らしい言葉です。
    一人生活する父親に息子たちは素晴らしいプレゼントをします。
    これは私の願望かも知れない。

    短い絵本の中で、子どもたちの成長と父親の老い、そして人生が見事に描かれています。
    そして、気になったのは登場人物の服装。
    農作業をしているときも、きちんとした身なりで通しています。
    これが、この人たちの生き方なのだろうな。
    少し窮屈のように見える生活を家族は律義に過ごしてきたのでした。

    読み返すごとに、この絵本に込められた含みと人生、子育てについて考えさせられます。

    投稿日:2010/07/02

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  • 大人の方が理解しやすい

    前から気になっていた本です。

    息子と読みましたが、難しかったようで、大人の方が内容的に理解しやすいように思いました。

    絶望した中でも生活の中で喜びを見つけることや、自分の道を選んでいくことなどを教えてくれるような本だと思いました。

    緑を基調とした絵が印象に残りますし、癒されるものがありました。

    投稿日:2009/11/06

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    1
  • 素晴らしい一冊です

    農夫と3人の息子のお話です。

    農夫は動物が大好きでとても大切に育てています。

    それと同じように息子たちもしっかり仕事をしながら

    毎日楽しそうに歌を歌っています。

    農夫は畑に種を蒔きましたが

    ちっとも雨が降らず何週間もひからびたままでした。

    ここから物語が急変します。

    生活できず、食べ物さえ食べれず

    家畜を手放し住む場所も小さくしました。

    このお話はアメリカの開拓時代を舞台にしており、

    移住した人々の厳しい生活の様子を描いたそうです。

    やがて農夫も歳を取り子供たちは大人になります。

    子供たちにどうやってこれから生きていくか

    親としてその接し方は素晴らしいと思いました。

    息子たちもちゃんとわかってくれていて安心しました。

    投稿日:2022/06/08

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  • 素敵な1冊です

    心優しい穏やかなお父さんと、お父さんと同じように、穏やかで優しい三人の息子のお話です。こういう形態(女の人が一人もでてこない)の絵本は珍しいな…と思いました。男性達の優しさにあふれていて、普通の絵本とは違う、魅力がありました。

    投稿日:2019/12/20

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  • 心の底にあった願い

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子20歳、男の子18歳

    知人が中学校での読み語りで取り上げていたのでセレクト。
    なるほど、将来を見つめる頃にぴったりのストーリーでした。
    『THE ANIMAL HEDGE』が原題。
    直訳すれば、「動物の生垣」ですが、「おとうさんの庭」という意訳も味わい深いですね。
    農夫が、3人の息子たちと農場で楽しく暮らしていたのです。
    ところが、干ばつでこの農夫一家は、大事な家畜たちや農場も売ることになるのです。
    小さな家に移り住んだ農夫は、生垣を見て、あることを思いつくのです。
    それは、生垣に、動物たちを刈り込むこと。
    やがて、その生垣は、3人の息子たちにも、進路を語りかけることになるのです。
    トピアリー(樹木を刈り込んで動物の形などにデザインする)については、
    『ナーサリー・クライムズ』や『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』で知っていましたが、
    なるほど、こういう視点もあったのですね。
    生垣の成長を時間をかけて眺めて見えるもの、それが「心の底にあった願い」なのですね。
    生垣の成長という、時間の流れとともに、
    農夫の年老いていく様子、息子たちの成長していく様子が絵の中に丁寧に描かれていて、
    時間を体感できます。
    親子の間にある、心のつながりもまた、素晴らしい作品だと思います。
    小学校高学年以上から、じっくりと味わってほしいです。

    投稿日:2014/02/07

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  • 家族がステキだ。

    • もゆらさん
    • 50代
    • その他の方
    • 神奈川県

     邦題「おとうさんの庭」ということばに、家族の見えない絆を感じる。ポール・フライシュマン原作は「The Animal Hedge」動物の生け垣である。
     しあわせは儚い、天は厳しい。目に見えるつまずきがなくとも、人生は先が見えないもの。暮らしの中で、おとうさんと呼ばれる者の落ち込む気持ちは、家族ですら癒すことができない。それは我が身をもって感じることである。
     何かを失って、どうすればよいか迷ったとき、その答えの欠片が、この絵本の中に隠れている気がする。夢のない人なんていない。でも、しあわせって何だろう?と、いつも考えさせられる。自律するって、本当は身の丈を知る旅に出ることではないかと、作中の息子三人の「でかけていく」という訳語に助けられた思いだ。
     訳者の藤本朝巳さんに感謝。

    投稿日:2013/10/26

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  • 生きる希望と人のあたたかさ

    とある絵本カフェで出会った1冊です。
    あたたかい絵のタッチも素晴らしく、表紙から気に入って手にとりました。

    どんな境遇で悲しくてもずっと寄り添う家族の姿、
    息子のしあわせを願い道しるべを示す父親の愛情に胸を打たれ、
    またラストシーンには涙です。
    最近読んだ絵本の中では1番よかったです。
    小さいお子さんにはちょっと難しいかもしれません。
    大人もこどもも楽しめる素敵な1冊です。

    投稿日:2012/07/18

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  • 自立前の子供たちへの親の最後の仕事

     丁寧に描かれている作品だと思いました。
     三人の息子と、小さな農場を営む父親のお話です。
     18見開きの中で、約20年の時の経過が凝縮されています。
     父親の働き盛りの時、それを手伝う息子。
     天候不順で、家畜も農地も家も手放し、親子で力を合わせ細々と生計を立てなければならなかった時代。
     父親の息子たちへ語ったメッセージが素敵でした。
     自分で生きていくことの覚悟をしっかりと伝えています。
     そして、そのための職業選択を慎重に考えることも。
     これこそが、親が自立前の子供たちへ最後にする大きな仕事だと思いました。
     子供たちの人生に最後まで寄り添えない親故、一人立ちを後押しするこの言葉が、親の責任として必要だと思いました。
     この後の、生け垣の刈り込みをモチーフにお話が展開していくところが素敵でした。
     息子たちが巣立った後のおじいさんの生け垣が切なかった。
     最後に、驚きと喜びで胸がいっぱいになりました。

    投稿日:2010/07/02

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  • 親子愛が幸せ呼ぶ

    おとうさんの庭 農夫はあかあかともえるまきストーブのような心の温かい人でした(表現がすごいな〜)

    これはいい話だな〜と予測が付きましたが あれ?三にんも息子がいるのにお母さんがいないと はじめに思いました。

    お母さんは死んでしまったのでしょうか?  そこのところが気になりました。
    三人の息子も働き者!
    きっと お母さんも心の優しい人だったに違いないと思いながら 見えない人を想像しました(少しでも 触れてあればいいな〜と思いました)

    日照りで とうとう 食べるものが無くなるなんて 農夫という仕事も大変です。 牛や ブタという 家畜を売り払うことのつらさ・・・・

    今ニュースで口蹄病でたくさんの牛や豚が病気になり 断腸の思いで殺しているとの ニュースを見ますので、このお父さんも 断腸の思いだったのでしょうね。

    この絵本のお父さんは 池垣の手入れをするとき 手塩にかけて育てていた 牛や ブタや 鶏を 池垣の木でつくるのです すごいな〜

    こんなに上手にできるのだ!このころのお父さんは 少し年をとり 子供たちは大きく成長しています。えが うまく表されていて

    子供たちが 次々に独り立ちしていくときに 父親とした 彼らに、伝えたいことがある「おおきくなったら、よくよく考えて、仕事を選ぶんだ。 いいかい、おまえたちは、自分で生きていかなければならないのだからね」

    お父さんの生き方を見て育った息子は、それぞれに 道を選ぶのですね

    一人になったお父さんは 淋しそう・・・・

    やはり 一人で生きるのは淋しいですよね 友達もいませんね。

    もし 友達がいたら良かったのにと思いました。

    立派に成長して それぞれの子供が選んだ仕事で 戻ってきますが・・・・
    彼らが 結婚して 孫ができて一緒に住んであげる子がいたら又にぎやかになるでしょうね! 
    親孝行な息子は お父さんにプレゼントします。
    彼は 動物を抱いて まきストーブがもえるように、赤々と輝きました。

    最後の終わり方が  良いのですが少し考えてしまいました。
    人生何が幸せかなと?

    投稿日:2010/05/24

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