ディヴィット・ウィーズナーの作品で、表紙に出てくる竜と王子の姿が、『3びきのぶたたち』に出てくるものと似ていたので、これはあの話かもしれないと思って借りてみました。
実際は別のお話で、しかも正統なおとぎ話でしたが、これはこれでとても面白いお話でした。
美しい姫とそのうわさを聞きつけた王子の物語ではなく、兄王子と妹姫のお話というところが、まず好感が持てます。
普段、美しいというだけで好きになる王子には腹がたつと言っている娘も、兄妹愛にはヨシヨシとご満悦でした。
いくら身を変えていても、そして表向きには戦っていても、深いところでは分かり合って、信頼しあっている兄妹の姿が描かれていて、とても気持ちが良く、納得のいくものでした。
実は、娘も私も、ウィーズナー作品ということで、なにかハチャメチャな話ではないかと思っていて、実際それを期待するところもありました。
でも、もともと絵が美しい上に、物語もしっかりしていて、こんな正統なお話を描いても、面白かったと思わせるウィーズナーの力を再認識しました。