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七夕にまつわる、中国のお話。 領主通しの争いで、両親も国もなくした、王子と王女の物語です。長い文章ですが、話の行方が気になり一気に読みました。内容はシビアで、価値観が問われるというか…いろいろ考えさせられる物語でした。 インパクトのある一冊。
投稿日:2023/06/12
恋人として日本では知られる七夕星の、中国でのお話。 実は二人は滅びた王家の子、兄妹だったのです。星になった母のように、星になりたいと必死で働くうち、星になった、、、、 意外なストーリーについひきこまれます。 中国で聞いたらどういう話なのか、中国人と話をしてみたい気がします。
投稿日:2017/07/28
日本で俗に伝えられている恋人同士の七夕の物語よりも、ずっと心に残るお話でした。 この物語で、牽牛星は兄の白光。 淑女星は妹の紅華。 きょうだいが七夕の星になるお話でした。 物語の舞台は中国の華北地方に伝わる伝説……でしょうか(?) 作者は「橋のない川」の著者:住井すゑさんです。 絵は滝平さんで、独特の木版画が物語にあっていて味わい深かったです。 話もいいし、滝平さんの絵ですから遠目もきくので、ぜひ子どもたちに紹介してみたいと音読して時間を量ったら、(早口でやって)15分以上ありました。 読み聞かせで小中学校にもっていくのは、時間的に難しそうです。 やや昔風の言葉遣いなども出てきますが、とても素敵な物語でした。 興味のある方はぜひ読んでみてください。 また、他の七夕の絵本を紹介して、こういうのもあるよってブックトークしてくるのはありだと思います。
投稿日:2017/02/18
恋人同士の、織姫・彦星のお話ではなかったので、少し驚きましたが、読み終えてみると、二つの星が兄妹ということが、すんなりと思えました。 高貴な身分らしく、言葉遣いなどは難しい言い回しが使われていますが、そのことで物語自体にも品が感じられるようです。 悲しいお話なのですが、とても印象深く残りました。
投稿日:2012/07/08
七夕の由来のお話なのですが、マイナーな民話の再話か、オリジナルストーリーでしょうか。 よく知られているお話とは趣が違います。 中国山西省の地主、王(ワン)家に白光(はくこう)、紅華(こうか)という兄妹がいたのですが、 両親は不意打ちにあい、屋敷とともに落命します。 母の機転で生き延びた兄妹は、母の教えに従い、川下の領主に奴隷として仕えるのです。 奴隷という過酷な環境にいながらも、母の遺言を守り、懸命に生きる兄妹が健気です。 ひたすら天の星になることを願う兄妹の姿は神々しいばかりです。 通説の夫婦愛ではありませんが、兄妹愛が素晴らしいです。 奴隷という立場を悲観するのではなく、労働の喜びを感じるあたりも 素晴らしいと思います。 滝平二郎さんの切り絵がそれはそれは美しいです。
投稿日:2011/07/08
住井すえといえば、名著「橋のない川」の長編を思い出します。 そして、牛久沼と部落解放運動のイメージが強いのですが、絵本作品もあったのだと驚きました。 そして絵が滝平二郎。 たまらない組み合わせです。 お話の舞台は意外にも中国。 牛飼いとおり姫が兄妹だという話にも驚きましたが、数奇な運命の後に七夕のお話につながっていることに、とても印象深く読みました。 評判の高い領主であった父親が、隣の領主に襲われるところから話が始まります。 兄妹は川下に逃げ、子どもを逃がした母親は父の最期をみとるために館に戻ります。 母親は死に星になります。 母親の言いつけに従い、川下の領主に奴隷にしてもらう兄妹。 どうして奴隷なのだろう? 奴隷の身分から牛飼い、おり姫になる展開に住井さんらしさを見つけました。 七夕は哀しいお話であるから、年に一度の星空を期待されるのでしょう。
投稿日:2010/06/20
育った家柄も身分も隠してどれとなった兄妹が、 天の星になった母に会う、うれしさや奴隷であるが故に 悲しい思いをしたことを読むと、私たちがよく耳にする 織り姫や彦星のお話しとは違った、奴隷などが登場する 辛くて険しい社会を背景に悲しくなるおはなしでした。 挿絵も「花さき山」や「モチモチの木」でお馴染みの 滝平二郎さんが担当されていて、兄妹の思いや風景が きれいに映し出されています。 ところ変われば悲しい七夕のお話。と言った感じなのですが 兄妹愛の素晴らしさも感じた作品でした。
投稿日:2007/07/27
息子が図書館で見つけてきました。てっきり織姫と彦星の話かと思ったのですが、舞台は中国大陸のお話。地主の王家(ワンケ)二人の兄妹・白光と紅華は家に攻め込まれ、母に逃げるように言われ、家を出ます。 兄妹が身分を隠し、奴隷となって働く姿は森鴎外の「安寿と厨子王」を連想させます。所変わっても「たなばたさま」にまつわる話は悲しいお話だと思いました。作品のベースには、奴隷解放や平等への願いがあるように感じました。たなばたの時期にオススメします。
投稿日:2007/05/25
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