しらすどん?
表紙絵を見て、ああ、シラス丼ね、と思ったのもつかの間、ギョッとなりました。
シラスの中に男の子がいるではありませんか!
これは一体?
遊びたい年頃のりょうくん、ご飯に呼ばれても気もそぞろ。
シラス丼も、食べ残しがあるのに席を立ちます。
すると、食べ残したシラスから、「自分がシラスだったらって、考えたことある?」と問われるのですね。
次の瞬間、りょうくんはシラスに転生してしまうのです。
ゴミにされ、収集車で運ばれ、焼却され、灰に。
そして、ある朝、再び、シラスとなり、「運よく」生き抜くことになるのです。
そしてまた、シラス丼の食卓へ。
りょうくんの感性に気づかされることが多いと思います。
作者は、環境問題について考えるグループにも所属し、
丁寧に取材して創作された作品。
不思議な体験ですが、シラスを通して、「命をいただくこと」がすっと、体感できると思います。
小学生くらいからでしょうか。