「たのしい おおきい ことば絵本」 みんなの声

比較の面白さを実感できる絵本です。
「速いと遅い」、「軽いと重い」、等々、比較のお話は絶対ではないことを、これでもかと言うくらい丁寧に説明してくれます。
でも、この思考回路の柔軟性ってとても大事ですよね。

Ａ（低い） ⇔ （高い）Ｂ（低い） ⇔ （高い） Ｃ

同じＢですが、比較相手によって立場が１８０度変わっています。
娘は、ＡＢやＡＢＣの中で･･･という比較しか、やったことがなかったので、この見方は新鮮だったようです♪

『ひとつの方向からだけでなく、多方面から物事を捉える』

子どもには、少し難しくて新しい見方。
でも、すごくわかり易く仕上がっています。
大切なことを教えてくれる一冊です。

この絵本を最初に読んだ時、夫とふたりで
「２歳児にはまだ早いよねえ」と話していました。
五味さんらしいシンプルな言葉とわかりやすい絵だけれど
角度を変えれば言葉も変わるといったことって小さい子ども
には難しいだろうなあと思って。だからといって、わざわざ
「どうしてこうなのか」「どこがおもしろいのか」と、いう
ことを説明するのも野暮だなあと思うし。

ところが。
娘は喜んでこの絵本を持ってくるのです。何度も何度も。
私達大人が理解しているのとは明らかに違う感じなのに。
不思議〜。
五味さんは子どもの心を持った人なのだろうなあと思いまし
た。絵本を読むのに正しいも正しくないもないけれど、もし
かしたら私達大人がこの絵本から受け取っている楽しさより
も、娘が受け取っている楽しさの方が、五味さんが発信して
いる楽しさに近いのかもしれないなあ。

ちなみに娘はどのページでも喜んでいますが、一番喜ぶのは
「とおい　ちかい」の、男の子がわっと近づいている絵です。

「比較する言葉」が五味さん流にユーモラスに描かれています。

大人には低いところでも子供には高い。
男性には重くないものでも女性にはかなり重い。
なるほどなぁと大人が読んでも勉強になります。

そして、最後のページに五味さんからのメッセージ。
ますますこの絵本を楽しもうと思えます。