シェル・シルヴァスタインといえば、『大きな木』という、ヒット作品があって、『1Q84』でブレイク中の村上春樹が新訳をつけているので、関心度の高い作家ですが、極めて異色な作家であると思います。
表現の一つとしてのイラストが作品になっているのであって、決して絵本志向の持ち主ではない。
考えると、シルヴァスタインの作品には極めてアナーキーなものが多くて、『大きな木』を除けば好き嫌いがはっきりするのではないかと思います。
そして、この本はなんともすごいことになっています。
人間社会の人間様を様々な怪獣もどきに具象化して解説した図鑑の体をなしています。
少しグロテスクなのですが、これがシルヴァスタイン流。
よく考えると、人や物事にパロディ化をはかるような独創力が中学生の思考パターンなのか、自分も中学時代に同じような思い出がありますし、子どもたちにしてもそのような時期のようです。(これだけの数量をこなすだけのことは出来ませんでしたが)
芥川賞作家の川上弘美が訳しているのですが、この本は川上弘美流も備え付けています。
絵本としては、読みづらい本ですが、子どもたちがウフフと笑ったらしめたものです。