みずたま模様が大好きな子がいます。
ワンピースも帽子も靴下も手袋もみずたま模様にして、体を覆います。
だから、この子が誰なのか分かりません。
でも本人は、
「きょうの わたしは みずたまちゃんよ」
と上機嫌。
さっそく、雪の中をお出かけします。
歩いていると、雪だるまちゃんに会いました。
みずたまちゃんは、
「さむいでしょ」
と、自分のみずたまのマフラーを巻いてあげました。
寒そうなりすちゃんに会うと、ポケットに入れていたみずたまのハンカチを首に巻いてあげました。
次に寒そうなうさぎちゃんに会うと、着けていたみずたまの手袋を貸してあげました。
そうやってみずたまちゃんは、寒がっている子たちに、身に着けていたみずたま模様の色々な物を貸してあげました。
気が付けば、みずだまちゃんははだかんぼう。
カバンしか身に着けていません。
そして、みずたまちゃんの正体は……。
主人公が誰なのか、ずっと分かりません。
出会った子たちに次々とみずたま模様の物を貸していくから、誰かが分かるはずだけれど、絵本に描かれているのは、みずたまちゃんの手や足だけ。
ずっと、
「誰かしら?」
と思いながら読み進めることになります。
最後のページで正体が分かったとき、とってもすっきりします。
小さなお子さんにお勧めです。