「おこだでませんように」のくすのき先生の作品です。
タイトルから年末のお話だなと思い書店で立ち読みをちょっとしました。
一見開き目の女の子の「おかあちゃんは、どうして サンタさんに プレゼントを おねがいせえへんの?」の台詞から驚きました。
この年頃の子どもはクリスマスともなれば、自分に持ってきてくれるプレゼントの事で頭がいっぱいのはずなのに、この子の親を思う気持ちに胸を突かれました。
おかあさんのプレゼント(新しいバッグ)を買いに弟とお小遣い(計80円)を出し合って、二人が内緒で家を出るところで、ググッ!
もうその場で読み続ける自信がなくなり、書棚に戻してしまいました。
続きがとっても気になっていた時、図書館に新刊として並んだので借りてきて読み直しました。
80円で買えない現実を知った姉弟が次に思いついたのが福引きの三等の商品。
ポケットに入っていた券が補助券一枚とも知らず、勇んで福引きの列に並び、またしてもかなわないと知った時の姉弟の落胆振りが痛々しい。
偶然拾った福引き券1枚を持って、二人は再び福引き会場へと走り、・・・。
この後、お話の山が二つもあります。
たくさんの大人たちの心までを動かした姉弟の母親への思いと正直さ。
正直であることがどんなに素晴らしいことか。
姉弟の眼差しの美しさが良く描かれた狩野先生の絵に涙を誘われました。
「おこだでませんように」の家庭も母子家庭でしたが、こちらもそのようです。
でも、この作品のおかあさんは、どのページでもニコニコ笑顔で素敵です。
見習わなくちゃと二度読み直し、二度鼻をかんでから思いました。