エロール・ル・カインの絵がめちゃくちゃ素敵でした!
ギリシア神話を基に、今から100年ほど前にイギリスの作家が書いた物語を絵本にしたものです。
中学生のころ、ギリシア神話にハマっていくつか読んでいたので、
このお話は知っていましたが、ギリシア神話をこんなにきれいな絵物語として、また読めるなんて思ってませんでした。
ヴィーナスに言われた試練の一つで羊の黄金色の毛を持ってくるというシーンがあるのですが、
その時描かれている羊たちが、めっちゃ怖いです。
そのくせ、プシケーに救いの手を差し伸べてくれる『田園の神・パン』は髭もじゃの割に表情がとても優しく見るし、『アリ』は拡大されて描かれていますが、クルクルとした姿かたちが可愛らしかったです。
どのページの絵も見応えがあるのですが、一番気に入ったのはプシケーが冥界で船に乗っているシーン。
「しゃれこうべ」がたくさん描いてあるし、乗っている船自体も骨でできているようですが、全体の仕上がりがものすごく素敵でした。
1つの人間の「愚かな愛」の物語ですが、もともとが昔から語られてきたギリシア神話なので、
神話などに興味があれば小学校の高学年くらいから十分楽しめる作品だと思います。