伊藤秀男さんの講演をお聞きする機会がありました。その時に、本棚にあったのがこの本です。
実は、私、若かりし頃、この本の著者の岡本さんご夫婦とご一緒に路上探検をさせていただいたことがあります。
バブルの頃、一時路上探検や考現学が脚光を浴びていたことがあります。そんな折に、お世話になっていた大学の先生も路上探検をされていたので、ご一緒しました。
「町のけんきゅう」とあるように、町を歩いて観察して発見したものすべてが研究の対象になります。
たとえば、三か月前には確かにあったお店が更地になっていたり、お店が別の業種に代わっていたりということを皆さんも生活の中で経験されていることと思います。
自分自身も変っていくように、町の様子も普遍的なものではなくすべて移ろっていき、ずっと同じ風景のようでもそうではないのです。
そういう観点で自分の身近なもの、興味を引くものを一つ見つけて収集したり、観察し続けていくと、そこから垣間見えるある発見があるのです。
そう思うと、身近な街並みの見方も変ってきそうですよね。
中を見て、こんなものまでというものもあるかもしれませんが、本当に身近なものでいいんだと思うと見える範囲も広がりそうです。
子ども向けとはいえ、とても詳細に紹介されていますので、路上探検の第一歩としてお勧めです。