うさぎの国では,たくさんのうさぎが楽しく暮らしていました。しかし,ある日草むらで見つけた「おうかん」を,1匹のうさぎがかぶったことから,その生活は一変してしまいます。
この絵本には,数え切れないほどのうさぎが出てきますが,前向き,後ろ向き等の6つのパターンがあるだけで,皆同じ姿をしています。(作者は,敢えてうさぎを個性がない存在として描いたようです。)
たった一つの違いは,その中の1匹だけが「おうかん」をかぶっていることだけです。そのたった一つの違いが,1匹のうさぎの性格を変えてしまい,他のうさぎの生活までも変えてしまった。
権力が人間を変えてしまう・・。読んだ後に,そんな思いが残りました。
ただし,絵本自体は,簡潔な絵で,うさぎの遊びや生活が楽しく描かれており,テンポもよく,それだけで息子にも十分楽しめる内容でした。